海から船でこの島を訪れる時 島を見つけ、最初に目にするのが 入江にそびえるように建つ 「ルカの砦(とりで)」です。
砦には、海賊との交戦の後が無数にあり 城壁の所々も崩れ去っていて その石積みの上には 今でも赤錆びた大砲が覗いています。
島の人々はこの砦に登り 漁に出た男たちへ島の異変を知らせる 狼煙(のろし)をあげたり また火を焚いて夜になっても帰らぬ船の 目印としています。
こんな古ぼけた砦ではありますが、 岬の岩場にどっしりと腰を据えた姿は いまでも付近を航行する船を威圧させ さながら島を守る守護神のようでもあります。 |